All about that bug

蠢くウジが開く道

アメリカミズアブ(メリアブ)のブリーディングをしてみて思うこと

前の記事で裏庭に放置していた前蛹・蛹満載のコンテナから羽化したメリアブの成虫を飛んできた野鳥がついばみ、それを塀の上で待っていたまだ巣立ちしてまもないと思われるコトリ(ヒナ?)にあげるのを見た時に妙に感動した、という体験を書きました。その…

羽化したアメリカミズアブが裏庭で奏でる歌声

昨年少量ながらもガレージのテント内での産卵から孵化が日常的に発生し、裏庭でボカシた生ごみの爆食い、そしてまるまる太った前蛹をテントのサナギルーム戻し、羽化から交尾へのサイクルが回り始めたのもつかのま、年末年始の家族での冬の日本への一時帰国…

BBCが伝えるアメリカミズアブ(メリアブ)の糞の可能 - 昆虫と共に再生する未来

以前の記事でも記したアメリカミズアブ(メリアブ)の幼虫飼育の残渣であるFrass(糞、抜け殻、食べ残しの混合材)に着目したBBC(British Broadcasting Corporation/英国放送協会)のオンライン記事を見つけたので、概要とそこから広がる妄想についてまとめ…

アメリカミズアブの裏庭飼育(のアップデート) ー ボカシの活用

今後世界で様々なスケールのメリアブファームが普及、稼働していくのだろうと思われますが、市民に開かれた小中規模の分散型メリアブファームのネットワークがこれからの人新世(アントロポセン)における都市環境のウェルビーイングを守る基盤クリティカル…

昆虫ビジネスの挑戦 仏Ynsect社の衝撃と福岡県嘉麻市の未来

世界のムシ業界を震撼させたニュース 先月末に世界の昆虫産業をざわつかせるニュースがあり、それは世界最大の昆虫用生産工場を持つフランスの昆虫ベンチャーYnsect(インセクト)社が資金繰りに行き詰まり、解決策を探るためにエブリー商事裁判所に民事再生…

社会環境インフラとしてアメリカミズアブのチカラをヒトと自然をつなぐ装置として利用する案について

この記事ではアメリカミズアブのチカラをヒトと自然をつなぐ裏庭ご近所インフラとして利用と、それに欠かせないニワトリについて書いてみます。 私たちが自然の恵みを享受して社会生活を過ごす一方、その恵みを与えてくれる生態系の豊かさを保つためのしくみ…

アメリカミズアブ の糞から見る世界(続き)

アメリカミズアブ を使ったメリアブコンポストシステム(ウジコン)のアウトプットであるウジ糞を含む生成物(ほとんどの文献等でこのウジコン生成物を昆虫排泄物の一般総称であるFrass(フラス)と呼んでいるようななので、”フラス”と呼ぶことにします。)…

国連生態系回復の10年とアメリカミズアブ

国連エコシステム回復の10年、知らぬ間に始まっていました。 www.decadeonrestoration.org www.youtube.com メリアブシステムが一体何の役に立つのか調べごとをしているうちに浮かび上がってきたのは、以前の備忘録でも触れたメリアブの本業である土壌分解者…

アメリカミズアブの糞から見る世界

一般市民レベルでのアメリカミズアブ の利用の可能性を探るためにケルマーナガーデンズで場所を使わせてもらってから、そもそもこれに一体何の意味があるのか考えながら時間が過ぎておりました。 そもそもの自分の経験に立ち返ればそのどうしようもない生ゴ…

再生資源としての食品廃棄物とアメリカミズアブによる土づくりに関する考察

(adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({}); ニュージランド航空(Air NZ)がNeste社ブランドのサステイナブル航空燃料(Sustainable Aviation Fuel:SAF/サフ)を導入するという記事が出ていましたが、その燃料の原料が基本的にはアメリカミズアブの…

Eco anxiety(エコ不安症)から考えるローカルなメリアブシステムの価値

(adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({}); デジタルインパクトメディア「5Media」のEco anxiety(エコ不安症)に関する記事を読んでコミュニティーでの小規模メリアブファームがその対処ツールになりそうな気がしたので備忘録的にまとめてみます…

ペットフードとしてのアメリカミズアブ

2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする「カーボンニュートラル」、脱炭素社会の実現を目指すことが人類の当面の共通したゴールとして設定されて久しいのですが実際私たち庶民は何ができるのでしょうか。 ondankataisaku.env.go.jp 目に見え…

アメリカミズアブ で変えるトイレの明るい未来

(adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({}); " data-en-clipboard="true">メリアブ関連のメディアを散見しているとこれまでは食品や農産業から排出される産業有機廃棄物を有効利用した持続可能な代替飼料生産という視点での記事がほとんどであった…

アメリカミズアブ とハエ幼虫症 ・蝿蛆症(ヨウソショウ:Myiasis)

今後飼料として生産されるメリアブを含む双翅目(ハエ目)のウジに関する記事に、産業化に際して考慮されるべき点としてMyiasis(ハエ幼虫症・蝿蛆症)の発生、との記述があった。 そこでこのハエ幼虫症とは一体何の事か調べてみると静岡のお医者さんのブログ…

循環型コミュニティガーデンとアメリカミズアブの相性

引越したため今では自転車で家から20分かかるのだが、以前住んでいた場所からなら徒歩5分のところに設立1981年のオーガニックコミュニティガーデン: ケルマーナ・ガーデンズ(Kelmarna Gardens、以下KGと略して表記)がある。 www.kelmarnagardens.nz K…

意外と簡単? アメリカミズアブ の屋外での卵採取方法

オークランド市の生ゴミ処理事情

市による家庭生ゴミの個別回収 2019年12月5日付けでオークランドカウンシルは2021年の10月から20年間オークランド広域都市部における個別家庭生ゴミ収集と処理業務の委託契約をEcoGasLtdと交わしたと発表した。 ourauckland.aucklandcouncil.govt.nz EcoGas…

アメリカミズアブのラービーの食べ方

日頃お世話になっているKelmerna Gardensには、近所の学校からガーデンにやってきて見学やら作業体験をするプログラムがあり、週何回かグループで虫眼鏡やらノートを持った小学生がワイワイやってくる。 その見学コースの中にミミズコンポストと並んで働く昆…

ブログの引越し

このブログを訪問してくださりありがとうございます。 長い間更新できずにおりましたが以下のアドレスに引越しまた更新して参りますので引き続きよろしくお願いいたします。 https://urbanwholebugs.com/ 追伸: いろいろありこのサイトをまたしばらく利用し…

メリアブウジの長期保管技術

(adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({}); 飼料産業情報のポータルサイトFeedNavigator.comの記事によると、 ブレットテクノロジーと呼ばれるメリアブの幼虫を容易に保存、輸送する技術がJeff Tomberlin と彼のリサーチチームによりテキサスA&M…

オランダ発報告書:新昆虫産業 -The emerging insect industry- 昆虫福祉にも言及

(adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({}); オランダ王国農業・自然・食品安全省(Ministry of Agriculture, Natue and Food Quality)の独立諮問機関であるThe Dutch Council on Animal Affairs (Raad voor Dierenaangelegenheden, RDA、オランダ動…

米国で養鶏飼料としてメリアブ解禁

(adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({}); 北米でメリアブの飼料としての扱いを巡る法整備に動きが加速している模様。アメリカ国内の有害食品・薬品の調査・摘発を行い、消費者保護の権限を担っている政府付属機関アメリカ食品医薬品局 (FDA:Foo…

アメリカミズアブの繁殖に挑戦

いわゆる冬の間に人工的な環境でメリアブの羽化、交尾、産卵を試みようとして早いく年月。 購入した50Wラブライトもなんとか一応入れ物に設置しあとは冬眠中のメリアブウジたちを叩き起こして羽化してもらうだけ。 選んだ元気な300匹のウジたちを土の入っ…

アメリカミズアブとカルピス

(adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({}); 以前海外のメリアブを利用した生ゴミ処理施設で生ゴミを餌として与える前に発酵させているという記事を読んだことがあった。 いくらメリアブのうじ虫が食いしん坊だとは言え、餌として生ゴミを利用する…

活きアメリカミズアブ の輸入規制解除のお知らせ

(adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({}); そういえば日本の蛆史に残る日、それは2016年10月7日である。学名Hermetia illucens、和名アメリカミズアブが植物防疫法で定義する「直接又は間接に有用な植物を害する有害動物』ではない、と日本国の農…

アメリカミズアブ 交尾用ライト(ラブライト)

ライト届きました。 10日にオーダーして届いたのが一昨日16日だったので約2週間。 荷物のトラッキングできるリンクをもらっていたので見てると国を出るまでにおよそ10日かかった模様です。 50W仕様だけど重さ1.8kg、思ったよりごつい。 この仕様は…

食糧不足を理由に昆虫食を勧めることに関する考察

(adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({}); 昆虫食のススメの何故様々な方面でこのアメリカミズアブ の蛆虫をはじめコオロギやミールワームなどの昆虫を将来的に人類のタンパク質原料として捉え、「昆虫ビジネス」への大手企業の参入やスタートア…

アメリカミズアブ の飼育スタイルについて

(adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({}); アメリカミズアブ が活発に餌を食べ成長し、繁殖するためには気温20−30度の暖かさ、適度な湿度(80%以上)と午前中(8−12時)の日光と言われているので実際になんらかの理由で通年飼育しよう…

光と繁殖ついて

この虫を如何に人工的な環境下で飼育し得るかという問題についてオンライン上には様々なフォーラムや学術的な研究成果が多く出てきており、基本的な飼育環境については要するに明るく温暖で適度な湿度があれば良い、ということになっている。 すなわち、いわ…

アメリカミズアブ の蛆虫の飼育

アーバンファーマーのススメ 蛆虫を飼育する、など聞くとかなり意味がわからないが、この蛆虫の生態と役割を理解した上で実際に直接その有用性に触れる機会があると以外にスッと受け入れられたするのではないだろうか。 我が家の場合ことの始まりは自分の長…