以前海外のメリアブを利用した生ゴミ処理施設で生ゴミを餌として与える前に発酵させているという記事を読んだことがあった。
いくらメリアブのうじ虫が食いしん坊だとは言え、餌として生ゴミを利用する際に与える生ゴミ量をメリアブの数、すなわり食べて処理できる量に合わせて調節する必要があり、投入可能なメリアブ蛆虫の量によっては施設内での一時保管を余儀なくされる。
この際に当然腐敗が進行すれば餌としての栄養価は損なわれ、悪臭とそれにともなうハエの発生などロクなことはない。
家庭や食堂などから発生する生ゴミは組成や形状などのばらつきは避けれないし餌として与える前に水分や形状調整など何かしらの前処理が必要であろうとは思っていたが、発酵させることによってメリアブの食事時間を早め、より高い栄養価と重量を併せ持ったウジ虫をしかも短期のうちに得られる、との内容だった。
今回新たに参考にした文献は鶏糞の処理にメリアブと枯草菌を用いて菌を利用しなかった場合との比較をしたものであったが、結果枯草菌を利用することによって処理時間短縮とメリアブの体重増、すなわち鶏糞からメリアブへの変換効率が向上した、というものである。
大豆は納豆にしてから食べた方がよろしい、と似たようなことなのだろう。
で研究に使用されたバクテリア (Bacillus subtilis)は一体なんなのか、と調べると納豆菌の親戚のような枯草菌と呼ばれるいわゆる善玉菌的なもので、日本国内ではビールのアサヒグループが枯草菌を使って人間だけでなく家畜の腸内環境を改善する商品を研究開発しているとのこと。
カルピスの開発過程で腸内菌の効能に着目し、ヒトだけでなく家畜の腸内環境改善に役立つ菌を研究する過程で枯草菌にたどり着いたらしいが、もはや家畜レベルで利用価値が高まるメリアブさんの健康を人間がケアしてより良い共生環境を整備するのは妥当の話かもしれない。
枯草菌で牛の体調がよくなりお肉や牛乳が美味しくなるのであれば、同じく健康に育ったメリアブを食べて育つ養殖魚や地鶏も美味しくなるのであろう。